誕生して4日目

産婦人科を早めに退院した私はその足でかずまの元へ。

小さな赤ちゃんの中にひとりだけ大きなかずまがいました。

でも他の赤ちゃん達からギラギラ感じられる生命力をかずまからは感じられませんでした。

今にも消えてしまいそうな命とかずまは1人で戦っていたのです。

毎日パパと一緒にかずまに会いに行きました。

最初のうちは、いつも寝てばかり。
それから薄目をあける時や小さいあくびをする時も出てきて、それだけで私達は大喜びでした。

でも相変わらず泣くことはなく静かなかずまだったので、面会に行くと、いつも隅っこで1人ポツンと寂しそうに寝かされていました。

そんなかずまを見ていると、すごく哀しい気持ちになって、ただただ、早くお家に連れて帰りたかった。


誕生して2日目

翌朝、だいぶ元気になった私はかずまに会いにいった。

かずまは保育器から出てベッドに寝てはいたが、やっぱり元気がない。
手が小刻みにプルプル震えている。
ギュッと手を握るとおさまるが、離すとまたプルプル・・・。

先生が来て、
「大丈夫だとは思うけど、少し気になる点があるのでNICUのある病院で診てもらおうと思います。異常がなければ、明日には戻ってきますから・・・。」

かずまは、そのまま産婦人科に戻ることはなかった。
私達が思っている以上に、重症だったのだ。
生まれてすぐに、総合病院に移送していたなら、こんなに重度の障害が残ることはなかったのでは???
今となっては、原因究明しても後悔してもどうなることでもないけど、やっぱり、どうしても納得がいきません。

赤○字病院NICUで行った処置は、医療に関して全く無知な私には、いまだに理解出来ない。
かずまは、『低酸素性虚血性脳症』と診断され、まず脳を休めなければならない。
体の動きひとつがその時のかずまの脳にはストレスで、その動きを止めるために、薬で心臓を止めた上で人工呼吸器をつけて。

薬が抜けて目が覚めたときどのようになっているか、覚めてみないとわからないとの事。

「もしかしたら、後遺症が残るかもしれません。」と言われました。

その時は、後遺症が何なのか知らなかった・・・。

予定日2日後かずま誕生

いくら待ってもかずまは降りてこないので、吸引したり、看護婦さんがお腹を押したりしながら時間がたった。

もう限界かもしれないということで、帝王切開の準備を始めようとしたとき、かずまは誕生した。

朝5時21分。
8時間かけての出産。
こんなはずじゃなかった。
出産を甘くみていた私。
感動 ! というより疲れただけだった。

 体重 3,076g
 身長 52cm

小柄な私にしては、立派な体格の男の子でした。

産声が聞こえないのに気付いたのは、少し時間がたってからのような気がする。

病室に戻り休んでいると看護婦さんが来て「ベビーちゃん、落ち着いたからもう大丈夫だよ。お母さん、お疲れだったね。」

「泣きましたか?」と聞くと「まだ泣かないけど、先生も大丈夫って言っているから・・・。」

体中が筋肉痛。
会陰切開の傷も痛くて起きれなかった。
かずまに会いにいく元気もない。
自分のことで精一杯。

「明日になったらいっぱい会いにいくから、今日はゆるしてね。」とかずまに心の中で謝って、眠りについた。

今思うと、あの時、かずまの傍についていたら、かずまの異常に気づいてあげられたかもしれない。

いまさら後悔しても遅すぎる・・・。

夕方、看護婦さんがかずまを病室に連れてきてくれ、抱っこしておっぱいを口につけてみた。

反応はなかった。

「かずまも疲れているんだろうな。」そのくらい軽く受け止めていた。

10ヶ月間 " た○ごクラブ " でいっぱい勉強して完璧だと思っていたのに、何の役にも立たないじゃん ! ! !

予定日の1日後

お昼頃、お腹がちょっと痛い。

でも陣痛がどんな痛さなのかわからない。
生理痛や下痢の時の痛みだと聞いていたが、やっぱり良くわからない。
でも周りの人に「初産は急に早くなるから、早めに病院に行ったほうがいいよ。」と言われていたので、とりあえず夕方電話をし、入院の準備をして病院へ。

診察の結果「微弱陣痛だが、4センチ開いているから今夜あたり産まれるでしょう。」と入院。

夕食が済んで10~15分おきに陣痛はくるものの、テレビで見るような感じではなかった。
まだまだ、かずまは出てくる気がしない。
「まっ、明日でもいいや。」と病室でゆっくり過ごしていると、9時頃看護婦さんが来て「○○さん、分娩室に移りましょう。」と・・・。

「え~~~~。もう産むのぉ~???」まだ気持ちの整理も体の準備も出来ていない。
「出産ってそんなもんなの???」

分娩台にあがって、服を着替えて横向きに・・・。

先生が来て内診。
「産道が狭いし全然進んでいないので、促進剤つかいますか?」と・・・。
「どっちがいいですか?」とアドバイスを求めたのだが、「促進剤使って早く産んであげるか、陣痛が進むのを待つかどっちがいいとも言えない。」

少しの間悩んだ結果、『あまり長引くとお腹の赤ちゃんの体力も弱って危険かもしれない。早く産んであげよう。』と決心をして促進剤を打ってもらった。
今思えば、あの時の私の判断は間違っていたかもしれない。

すぐに5分おき位の陣痛がきた。

体を動かしたいのに、横向きの状態で固定され、同じ体勢を続けるのが苦痛だった。
「この出産方法は、私にはあわないなぁ~。」と思いながら早くかずまが降りてくるのを待った。
その時かずまは首をかしげていたらしい。
その為に私の狭い産道を通れなかったようです。
かずまが頭を直すのを待つしかない。

頑張れ!かずま!